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ネイチャーポジティブ

ビジネスに自然再生を取り入れたい、と思った時に出会った「ネイチャーポジティブ」という考え方について自分なりに噛み砕いてまとめていきます。

概要

ネイチャーポジティブという言葉が使われ始めたのは 2019年頃で、きっかけは 100万種が絶滅の危機にあるという IPBESという団体の報告を受けて 自然を守るだけではなく、回復させる必要性が認識され出したことがきっかけです。その後、2022年のCOP15(生物多様性条約第15回締約国会議)でネイチャーポジティブが正式な目標として盛り込まれたことなどで、国際的に広く認識されました。

つまり、ネイチャーポジティブとは、開発や経済活動の際に、自然を壊さないというだけでは不十分な状況を踏まえて、 失われた生態系や生物多様性を回復して、自然資本を増やしていこうという考え方です

国際的な目標

COP15では、世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」が決まりました。ポイントとして、2030年までの世界目標として23noターゲットが設定されていますが、これをまとめると、以下の4本柱で構成されています。

  1. 自然を守る(保全)
    例: 陸と海の30%を保護区にする(30 by 30)
  2. 持続的に利用する
    例: 持続可能な農業・林業・漁業を拡大、
    気候変動や汚染など複合的な脅威に対応
  3. 利益を公平に分け合う

    例: 遺伝資源の利益を国や地域で公平に配分、先住民の権利を尊重

  4. 資金•情報•協力で実行する
    例: 年間2000億ドルを生物多様性に投資、企業の自然関連リスクを情報開示、国際協力・教育を推進

これらのターゲットは国際社会で強く重視されており、今後は国内の政策や市場の動きにも反映され、ビジネスや生活にも大きな影響を与えていくことが予測されます。

ネイチャーポジティブとビジネス

ビジネスに自然再生をどう組み込むかは、これからの企業価値に直結する課題です。ネイチャーポジティブを軸に、持続可能性と成長の両立を探っていきたいと思います。
自然を守り回復させることは、単に環境への配慮ではなく、企業イメージの向上や投資家・顧客からの信頼につながります。また、自然そのものが水や食料、資材といった「資本の源泉」でもあり、それを失えば事業基盤そのものが揺らぎます。だからこそ、自然再生を経営に取り入れることは長期的な競争力の強化にも直結すると考えています。

Takaaki Yoneda

環境保全、グラフィックデザイン、マーケティングなどプログラミング以外にも幅広い興味を持ったソフトウェアエンジニアです。 最近の趣味は、ボードゲームと登山